リチウムイオン電池は本当に安全?事故を防ぐ正しい使い方と注意点を徹底解説

スマートフォンやノートパソコン、電動自転車、最近では電動キックボードや家庭用蓄電池まで——私たちの生活は「リチウムイオン電池」に支えられています。ところが便利さの裏で、「発火した」「突然爆発した」といった事故が報道されることも少なくありません。

商品としては既に広く普及しているリチウムイオン電池ですが、「安全性が完全に確立されている」と言い切れるものではありません。正しい知識と使い方を知らなければ、日常に潜む危険を見逃してしまうことにもなります。

■ なぜリチウムイオン電池は事故が起きやすいのか?

リチウムイオン電池の最大の特徴は「高エネルギー密度」です。小さなサイズで大きな電力を供給できる一方、内部でトラブルが起きると熱暴走を引き起こしやすく、これが「発火」や「爆発」の原因になります。

事故の主な原因には以下のようなものがあります:

  • 過充電や過放電
  • 高温環境での放置・使用
  • 強い衝撃や落下
  • 粗悪な互換品の使用
  • 劣化による内部短絡

内部でショートが発生すると、一気に高温となりガスが発生して膨張、最悪の場合は発火・爆発につながります。

■ 安全に使うためのポイント5つ

リチウムイオン電池は、「気をつけて使えば安全に扱える」製品でもあります。次の5つのポイントを心がけましょう。

✅ 1. 純正品・信頼できるメーカーの製品を選ぶ

安価なバッテリーや充電器は内部の安全機構が不十分な場合があります。スマホやノートPC、電動工具などは、必ず純正品か、信頼あるブランドの製品を使いましょう。

✅ 2. 充電中の置き場所に注意する

充電中にベッドの上や布団、カーペットの上に置くのはNG。発熱時に熱がこもりやすくなり、発火の危険が高まります。平らで硬い面、できれば耐熱性のある場所で充電を行いましょう。

✅ 3. 高温になる場所に放置しない

夏場の車内など、直射日光があたる場所に放置すると、電池温度が異常上昇します。高温状態で充電・使用をすると、電池の劣化や事故の原因になります。

✅ 4. 「異常サイン」を見逃さない

電池が膨らんでいる、焦げ臭い、異常な発熱があるなどのサインが出たらすぐに使用を中止し、販売店やメーカーに相談を。見た目に異常がない場合でも、充電に異常な時間がかかるようになったら要注意です。

✅ 5. 長期間使わないときは半分程度の充電で保管

満充電や完全放電で長期保管すると、電池の寿命を大きく縮めてしまいます。40~60%程度の充電状態で、冷暗所に保管するのが理想的です。

■ 技術は進化中。次世代電池に期待も

現在も、より安全性を高めたバッテリー開発が進められています。たとえば:

  • 全固体電池:液体電解質を使わないため、発火リスクが格段に減少
  • ナトリウムイオン電池:リチウムに代わる素材で、コスト面や安全性に期待

とはいえ、こうした技術が完全に普及するにはもう少し時間がかかります。今あるリチウムイオン電池と上手につきあうことが、今の私たちにできる最も現実的な対策です。

■ まとめ:安全な道具として扱う「責任」を

リチウムイオン電池は決して「危険なもの」ではありません。ただし、高性能であるがゆえに、取り扱いには一定の注意が必要な“高エネルギー製品”でもあります。

知らずに使えば事故のもと。知って使えば、私たちの生活を支える安心の道具。

便利さだけでなく、「安全に使う責任」も一緒に手に入れることが、これからのスマートな選択ではないでしょうか。

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